【マッケンジー体操の実際】
①急性腰痛の場合は、まずこの姿勢から行ないます。
うつ伏せになることで腰椎に少し弯曲が出来ます。
5~10分間、この状態を保持します。
これは、うつ伏せになることがまったく困難でない方や慢性腰痛の方は省いていただいて結構です。
また、この姿勢をとること自体が痛みで不可能な場合は、その次の運動には進まず、お腹の下に座布団やクッションを重ねて入れて、徐々にそれを取っていって、うつ伏せが出来るようになることを目標にして下さい。
②次に、肘を床につけて、さらに腰の反りを大きくします。
いきなり肘を90°にするのが無理な場合は、上の方から肘を付いて徐々に90°にしていきましょう。
2~3分間、この状態を保持します。
この姿勢で腰部にさほど痛みを感じない時は、こちらを省いて③の運動から始めていただいても結構です。
通常は痛みが徐々に治まっていきますが、痛みが強くなったり、お尻や足に痛みやしびれが出る場合は中止して下さい。
③腰椎の伸展(反らせる)可動域を増加させるため腕立て伏せのような反復伸展運動を行います。
この時、気をつけることは、背筋を使わず、リラックスした状態で、腕の力だけで行うことです。
腕を伸ばした後、息を吐き、おなかをしっかり落とすようにしましょう。
10回1セットで、最初の2、3回は注意して行ない、安全確認後続けて下さい。
そして、9回目10回目は肘を伸ばした状態で数秒間静止してみましょう。
マッケンジーエクササイズでは、この運動を最初のうちは2~3時間おきに行なうことを推奨しており、寝転ぶ所がない場合は、立った状態で手で腰を押し出すようにして腰を反らせる方法を代わりに行います。
症状の改善に伴い、セット数を減らします。
多くの腰痛が 1 、 2 ヶ月で改善していきます。
この運動を行う時、元からあったお尻や足の痛み・しびれが減少して、背骨上(体の中央)に痛みが移ってくる事がありますが、これは “中央化現象” と言われ、回復に向かう良い兆候です。
ただし、この運動も強い痛みが出たり、お尻や足の痛みやしびれが増加したり、今までなかったそれらの症状が出た場合はただちに中止して下さいね。
※椎間板損傷が疑われる方や脚への放散痛やしびれがある方は、当院スタッフの指導のもとで行う事をおすすめします。
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